→男性名詞、女性名詞、中性名詞ってなに?
グレヴィル・コーベット (Corbett 2011) は世界257の言語について、性がいくつあるか調査した。それによると、性のない言語が約半数で145、性が二つある言語が50、三つあるのが26言語、四つが12言語、五つ以上持つ言語は24あった。
性がある言語では、二つあるものがもっとも多く、広い地域に分布している。アフロ・アジア語族は普通二つの性を持つ。印欧語族は三つあるものが多いが、二つになっているものも多い。四つある言語はナフ・ダゲスタン語族によく見られる。五つ以上の性を持つ言語はニジェール・コンゴ語族に多い。ナイジェリアのフラ語は例外的に多く、20の性を持っている。他には、パプア・ニューギニアの山岳アラペシュ語が13、北オーストラリアのガンギテメリ語 (Ngan’gityemerri) は15の性がある。さて、文法上の性と生物の性は関連はあるけれど実際には別物ということですが、生物の性についても性がたくさんある生物があることを、畑中正一「ウイルスは生物をどう変えたか 進化の演出者・ウイルスの世界を探る」(ブルーバックス)を読んで知りました。
たくさんの性を持つ生物がいる
むかし習ったドイツ語の冠詞には、男性、女性、中性の三種類があったことを記憶しています。Das Madchen(ウムラウトの入力方法がわからないのですみません-高橋)と「娘」あ中性で、成熟すると女性の冠詞になるのが印象的でした。しかし、この中性も成熟過程のはなしで、結局は男性、女性の二種類の性しかありません。
第三の性ではないのです。それでは、自然界でたくさんちがった性を持っている生物がいるのでしょうか。いましたいました。ある種の粘菌は、13種類のちがった性を持っているのです。繊毛虫では、それ以上の異なる性があるようです。もし性の目的が、異なるDNAを混ぜあわすことであれば性の種類が多いほうがいいにきまっています。
ちょっと考えてみましょう。自分のまわりにいて親しい男女は親子や親戚ですが、このなかでDNAを混ぜあわせるのはタブーです。雑種強勢で外に異性を求めなければなりません。そのとき男女ならみつけられる異性は50パーセントです。同性ど、うしはDNAを混ぜあわせられないとして、20種類の異なる性があれば、異性とセックスのできる確率は95パーセントとなりますから、圧倒的に伴侶をみつけやすくなります。
バラエティにも富んでいます。一度、20種類のちがった性の相手を想像してみてください。想像するだけで楽しくなるではありませんか。粘菌や繊毛虫になりたいと思われる人がいても、無理はありません。
3性まではともかく、13の性なんて、とても理解の範疇を越えています。
返信削除昔、チェーホフやトルストイを読みたいなあと、ちょっとかじったロシア語では、名詞の性ばかりか形容詞、副詞にまで性別格変化があるのにはびっくりでした。それも6格までと、単複があって・・。
最初は度肝を抜かれましたが、でも、なれると語尾がそろってとても美しい。そして、英語のように、あいまいで解釈に苦しむことがないんですよね。
コメントありがとうございます。「理解の範疇をこえている」、私もそう思います。
削除私はロシア語はまだよくわかりませんが、ロシア語は格変化が大変そうですね。私が大学時代に習ったドイツ語はたしか格変化があり、ラテン語も格変化があったとか。私がいま勉強しているスペイン語は格変化を失っているようです。
ウムラウトは通常、該当母音の後ろに e を入力しているようです。
返信削除Madchen → Maedchen
何もわからない私へのアドバイス、ありがとうございます。
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