2015年12月11日金曜日

北海道博物館「夷酋列像展」について

北海道博物館で「夷酋列像展」が、9月5日から11月8日まで開催されました。主催者の一員である北海道新聞社がこの「夷酋列像展」のキャンペーンを行ない、3万人以上が入場したそうです。

私も札幌に行ったときに友人と一緒に見てきました。道新の広告や「夷酋列像展」のリーフレットには次のような説明があります。
夷酋列像 蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界(見出し)
極彩色の衣装に身を包み立ち並ぶ、12人のアイヌの首長たち。松前藩家老をつとめた画人蠣崎波響が寛政2年(1790)に描いた「夷酋列像」は、時の天皇や、諸藩の大名たちの称賛を受け、多くの模写を生みました。
蠣崎波響筆のブザンソン美術考古博物館本と国内各地の諸本が、はじめて一堂に会します。絵をめぐって接する人、交叉する物、そして日本の内に胎動し始めた外の「世界」。18世紀から現在に続く、蝦夷地=北海道イメージを見渡します。
夷酋列像展のリーフレット(表)

きっとすばらしい絵なんでしょう。でも、私には心に引っ掛かるところがあるのです。

9月にシャクシャイン記念館がある静内(現新ひだか町)に行ったときのこと。運よくアイヌの方の話を聞くことができました。夷酋列像のことが話題になったとき彼はこういいました。

「彼らは裏切り者だからね」-彼らというのは蠣崎波響が書いた12人のアイヌの首長のことです。そのことが頭から離れなくて、夷酋列像をどう考えたらいいのか、頭の整理ができてません。

それは、北海道の歴史をどうみるのか、和人史観からすっかり解放された目で「夷酋列像」をどう評価するのかということかもしれません。私の宿題です。

0 件のコメント:

コメントを投稿