2010年11月12日金曜日

ヨイトマケの唄

昨年最高の贅沢『iPod』を手にし音楽を聴いていて「魂の唄」と出会った。「姉さんかむりで/泥にまみれて/日に灼けながら/汗を流して/男にまじって/綱を引き/天にむかって/声をあげて/力の限りに/うたってた/母ちゃんの働くとこを見た」―サザンの桑田佳祐が熱唱する「ヨイトマケの唄」。ネットで調べると、美輪明宏作で1965年に発表。「美輪が幼少時に一緒に育った友人の亡き母を回顧する歌。主人公の過去には幼少時、母親の職業がきっかけでいじめを受けた悔しさなども折り込まれている」との説明書き。桑田の他、米良美一、槙原敬之、泉谷しげるなどによって歌い継がれている。価値を生み出す労働の尊さが幼い子どものその後の人生を支えたことを謳いあげたこの曲は、腐朽した投機経済がはびこる現代の労働讃歌でもあるだろう。昨年最高の贅沢は『iPod』ではなく、この曲との出会いだったかもしれない。(『コーヒータイム』2009.1.18号)

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