2010年11月23日火曜日

「ガゴメ入り乾めん発売」の記事を読んで

11月22日付「みなみ風」(北海道新聞地域情報版)に「ガゴメ入り乾めん発売」「産官学連携し開発」「常温で5か月保存可能」「函館土産に」の見出し。函館の水産資源を活用したまちづくり、そのために活躍している工業技術センターに注目していたのでうれしい気持ちで読みました。

先月、私の大学の同窓会の函館支部のあつまりがあったとき、函館工業技術センターにおつとめの先輩が、近況報告で、知的クラスター創成事業(マリンバイオクラスター)が再仕分けの対象になるかもしれないと心配していました。昨年民主党政権の事業仕分けで「廃止」判定を受け、地元が一丸となって抗議し、その願いがかなって継続されてきた事業です。明日、古岡ともやさん、本間かつみさんと工業技術センターにおじゃまし、この一年間の成果をうかがうことになっています。楽しみです。以下知的クラスター創成事業の事業仕分け問題を質問でとりあげた私の質問を紹介します。

知的クラスター創成事業と事業仕分けについて
(2009年12月函館市議会一般質問)
高橋佳大
次に、事業仕分けによって廃止判定を受けた知的クラスター創成事業「函館マリンバイオクラスター」について、3点質問します。 1つ目は、知的クラスター創成事業は、函館国際水産・海洋都市構想との関係、つまり函館のまちづくりにとってどのような意義がある事業なのでしょうか。2つ目に、6年間の都市エリア産学官連携促進事業(一般型・発展型)と函館バイオクラスターとの関係はどのようなものなのか。言いかえれば、6年間の都市エリア事業のどのような苦労と成果の上に立って、函館バイオクラスター事業があるのかということです。3つ目に、事業仕分けの廃止決定について、市長はどのように受けとめているのでしょうか。また廃止判定を受けて知的クラスター創成事業の今後をどのように考えますか。
 
西尾市長  
次に、3点目は、知的クラスター創成事業にかかわって、この事業と函館国際水産・海洋都市構想との関連についてのお尋ねです。函館は三方を海に囲まれ、豊かな海洋資源に恵まれた地理的・自然的な背景から、さまざまな水産・海洋関連産業や北海道大学大学院水産科学研究院など、多くの学術・試験機関が集積しております。そのことで、こうした優位性を生かしていくため、これまで函館国際水産・海洋都市構想を策定し、都市エリア産学官連携促進事業の実施など、地域クラスターの形成に取り組んでまいりました。本年度から開始した知的クラスター創成事業は、この都市エリア事業よりさらに事業規模が大きく、高度で幅広い分野の研究技術開発を行うことで、世界レベルの競争力を有するマリンバイオクラスター、海の生物系のそういった研究群、産業群をつくっていくと、そういう形成を目的としておりますことから、国際的な水産・海洋に関する学術研究の拠点都市として、新産業、新技術の創出を通じ地域経済の活性化を目指すこの函館国際水産・海洋都市構想を具現化していく上で、非常に重要なプロジェクトであると考えております。

次に、都市エリア事業との関係やこれまでの経過についてのお尋ねでございます。本市では、平成15年に函館国際水産・海洋都市構想を策定し、国際的な学術研究拠点都市の形成を目指しており、この6年間にわたって取り組んだ文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業では、地域の産学官がイカやガゴメなどに関する研究技術開発を行い、商品化では113件、特許が34件、論文63件、また直接的経済効果が32億円となるなど多くの成果を上げ、全国的にも評価をされております。このような取り組みにより、水産・海洋に関するクラスターが形成されてまいりましたが、都市エリア事業が平成20年度で終了することから、これまで築き上げてきた産学官連携をさらに発展させ、さらに高度な研究テーマを設定し、世界に通用する函館マリンバイオクラスターの形成を図るため、そういった提案をし、決定をいただいたものであります。

知的クラスター創成事業の提案に当たっては、地元の大学や函館地域産業振興財団、北海道などと30回以上もの会議や打ち合わせを行い、協議検討を重ね、計画書を策定したところでございまして、本年3月の文部科学省への提出後、5月に行われた2度のヒアリングでは、地域の産学官関係者が文字どおり一丸となって、函館地域のポテンシャルやまちづくりへの意気込みなどを訴えたものでございます。その結果、7月に採択に至ったというものでありますが、函館地域のポテンシャルはもちろん、函館国際水産・海洋都市構想という地域ビジョンが明確であることが評価されており、これまで長年にわたっての地域一丸となったまちづくりや産学官連携に対する取り組みと熱意が、実を結んだ結果であると考えているところでございます。

次に、知的クラスター創成事業の今後についてのお尋ねでございます。知的クラスター創成事業は、函館のまちづくり構想を具現化する上で非常に重要なプロジェクトであることはもちろん、海を基盤とした食料生産基地として、また最先端の研究・技術開発の発信拠点として、日本のみならず世界にも貢献し得るものと認識しております。このたびの事業仕分けにおいて、十分な議論がなされないまま廃止と判定されたことは、函館にとってはもちろんのこと、世界的な課題となっている食料や環境に関する研究・技術開発にも大変大きな影響があると考えております。

本事業は、既にことしの9月から開始されておりまして、事業の成果を出すべく地域の産学官が一丸となって取り組んでいるところでありますし、何よりも事業の採択が、関係する皆様による大変な御努力と、これまでの函館のまちづくりに対する取り組みが評価された結果であることを考えますと、このたびの事業仕分けで廃止と判断されたことは、強い憤りを私自身も感じているところであり、事業の中止はあってはならないものと考えております。

このような思いから、廃止の判定の後、事業の継続に向けて、国会議員や文部科学省に対してお話をさせていただいたほか、これは函館市から呼びかけさせていただき、知的クラスター創成事業や都市エリア事業を実施している全国の12市が連携して、緊急共同声明を発表するなどの活動を行っていることに加えて、市議会においても意見書の提出を議決いただいたところでございます。
今後におきましても、関連機関や他の自治体と連携協力し、あらゆる場面で知的クラスター創成事業の重要性と事業の継続について訴えてまいりたいと考えているところでございます。

高橋佳大
まず、知的クラスター創成事業について、私は、函館国際水産・海洋都市構想というまちづくりの構想に、知的クラスター創成事業は具体的な形を与えるもの、水産・海洋都市構想に命を吹き込むものと考えております。過日、工業技術センターにお邪魔をして、そのときの説明では、国際水産・海洋都市構想を牽引するのが知的クラスター創成事業だとおっしゃっておりました。
これまで6年間、都市エリア事業が、イカやガゴメの研究で成果を上げてまいりましたが、都市エリア事業については、こんな例えがふさわしいかどうかはわかりませんけれども、ジグソーパズルで言えば、一つ一つのピースをつくってきたのが都市エリア事業じゃないのかな。そして、その一つ一つのピースを組み合わせて立派な絵をかこうというのが、知的クラスター創成事業になっているんじゃないかと(思います)。

この事業が、10月にキックオフセミナーということで、いわば旗上げをしました。ところが、11月に事業仕分けで廃止ということですから、これでは理不尽過ぎるというのが私の思いでもあります。既に定例会冒頭で、予算確保に関する意見書を議会としても採択をいたしましたけれども、この問題では、やはり党派の違いを超えて、議会もまとまって頑張ることが大切だなというふうに思っているところです。

私たちの党も、事業仕分けの廃止判定直後に、函館から文部科学省に代表を派遣しました。(これは古岡ともやさんのことです)。そこでのやりとりを少し紹介したいと思うんですが、函館では参画企業がもう50社であるということで、すごく頑張っていますねというふうに言われたと。それから、経済効果が32億円だと、これは少ないですかというふうに聞くと、さまざまな分野があるので比較はできないと、食品開発はやりやすい分野ではあるけれども、32億円は多いほうだと思う。ただ、金額だけで見ているわけじゃない、函館は非常にうまくいっていると思っている。その要因は、工業技術センターがしっかりやっています。大学との連携、参画企業など、ネットワークをつくるのに物すごく苦労していると思います。発展に期待ができます。そして、仕分け人から成果が出ていないんじゃないかという意見もあったんで、成果をしっかりアピールしていきたいというふうに、文科省では言っておりました。そのことを紹介したいと思います。 いずれにしても、事業の中止があってはならないということで、市長の気持ちと同じであり、事業の継続のためにみんなで頑張ろうというふうに思っております。

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