2010年11月17日水曜日

学童保育の陳情が不採択

残念なお知らせです。函館保育連絡会からの陳情のうち、市議会総務常任委員会で審査していた学童保育関連の要望項目(①学童保育所の安定運営と専任指導員複数配置のための予算の増額を求めます。②学童保育の保育料減免分の補助を新設してください)が不採択となりました。賛成は私(共産党)と民主・市民ネット。反対は新生クラブと市民クラブ、公明党でした。この2,3年、学童保育を放課後子ども教室に吸収させることを主張する声が議会でも出てきて、このような陳情がなかなか採択されない状況となっています。教育委員会が学童保育と放課後子ども教室とは役割が違うという立場に立っているのが救いです。以下長くなりますが、学童保育と放課後子ども教室の関係についての私の一般質問の会議録の大要を紹介します。

学童保育と放課後子ども教室の関係についての高橋佳大の一般質問(2008年9月)
高橋佳大議員
 次に、4つ目の質問は、豊かな放課後を子供に保障するという立場でお聞きいたします。子供の放課後に関係する市の事業や施設、具体的に言うと、学童保育、放課後子ども教室、ひろば館、児童館の4事業の目的、役割、現況と課題、発展方向、そしてそれぞれの事業の関係、連携についてお知らせください。
 
多賀谷教育長

 学童保育と放課後子ども教室の目的、それから役割などについてのお尋ねでございますが、学童保育と放課後子ども教室は、国の総合的な放課後対策であります放課後子どもプランに位置づけられており、このうち学童保育につきましては、留守家庭児童を対象に遊びや生活の場を提供する事業であり、公営、民営合わせて現在32の小学校区で39カ所の学童保育が開設をされておりまして、約1,200人の児童が入所しているところであります。学童保育所の未設置校区がほぼ解消されつつある中で、新たな学童保育所の設置につきましては、地域の実情や保護者のニーズを的確にとらえるとともに、既存の学童保育所との調整を図りながら進めていく必要があり、また運営面での指導や支援策を充実していく必要があると考えております。
 また一方、放課後子ども教室につきましては、全児童を対象に地域の方々の参画をいただきながら勉強やスポーツ、文化活動などを行う事業であり、現在6小学校で開設をし、地域の住民や保護者、学生などがボランティアとして子供たちの活動をサポートしているところでございます。
 今後は、校区内に児童館がない小学校を中心に開設したいと考えておりますが、事業の推進に当たっては、ボランティアとなる地域住民などの協力を得ることが大きな課題であると考えております。
 留守家庭児童を対象とする学童保育と全児童を対象とする放課後子ども教室は、その目的や役割が異なることから、それぞれの特性を生かしながら事業を展開してまいりたいと考えており、またひろば館事業及び児童館につきましても、放課後対策として有効な手だてであると考えておりますので、今後とも関係の部局と連携をとりながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。

岡田芳樹福祉部長
 ひろば館と児童館の目的、役割などについてのお尋ねでございますが、児童館は児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とした施設であり、現在市内に25カ所設置しております。また、本年4月からすべての児童館で実施しておりますひろば館事業は、子供に遊びの場を提供することに加え、子供たちの健やかな成長を地域全体で支える仕組みづくりを進めようとする新たな取り組みであり、子育て中の親子や高齢者も気軽に集い、触れ合いながら交流できる地域コミュニティ施設として児童館を有効活用するものであります。
 今後におきましては、子育て支援事業の拡充や世代間交流事業の促進など、ひろば館事業の一層の充実を図っていく上で、地域との連携はもとより、児童館応援隊などのボランティアの確保が課題となってくるものと考えております。
 いずれにいたしましても、未来を担う子供たちの健全な育成を図るためには、学童保育、放課後子ども教室、ひろば館事業、児童館がそれぞれの役割、機能を十分に果たすとともに、相互の情報共有に努める中で推進していく必要があると考えております。

高橋佳大議員
 学童保育と放課後子ども教室ですが、この4つの事業にはそれぞれの目的、役割があって、それぞれを発展させる必要があるという答弁をいただきました。この4つですけれども、それぞれの目的や役割に照らすと、私は2つに分類することができると。1つは、子供の生活の場を保障する学童保育、それからあとの3つの事業は、全児童を対象にして放課後の居場所を提供するという事業であると思います。こういうふうに2つに分類することができると思いますが、いかがでしょうか。

多賀谷教育長
高橋議員から、4事業、これについては2つに分類できるのではないかという御質問をいただきました。放課後子ども教室は、全児童を対象として遊びや学びの場を提供する放課後対策事業であり、それからまたひろば館事業、それから児童館、これも乳幼児から児童・生徒まで幅広い年齢層の子供を対象に遊びの場を提供するものであります。したがいまして、3つの事業は、御指摘のように、全児童を対象とした事業として一つにまとめて分類できるものと考えておりまして、それに対しまして学童保育は、留守家庭の児童に生活の場を提供する事業でありますので、ほかの3つの事業とはやはり目的や役割が異なることから、大きく分けますと2つに分類できるものと考えております。

高橋佳大議員
2つに分類ができるだろうと、できるという認識は私と一致すると思うんです。そのうちの一つ、学童保育については、私はこれまで何回も取り上げてきたし、また多くの議員の皆さんが何度も取り上げてきたことで、発展の方向や諸問題、諸課題も見えてきているというふうに思いますので、引き続き発展のために力を尽くしていただきたいんですが。それでは、全児童の放課後対策の3つの事業、特に放課後子ども教室と児童館ということになるかと思います。これを担っていくことになると思いますが、放課後子ども教室、これはどのように行われて、参加人数はどれくらいなのか、また地域の人の協力、これがどれくらい得られているのか、お聞きいたします。

多賀谷教育長 
放課後子ども教室についてのお尋ねでございますけれども、現在放課後子ども教室は6つの小学校で開設をしておりまして、その活動内容はそれぞれの子ども教室で多少異なりますけれども、子供たちは、例えば折り紙、それから塗り絵、けん玉などの遊びをしたり、体育館では跳び箱、ボール遊びなどで体を動かしたりするなど、子供同士あるいは地域の方々と一緒に楽しく過ごしている状況であります。平成19年度における参加児童数でございますが、6つの小学校で、延べで言いますと約1万人を超えております。また、地域住民の協力につきましては、町会やPTAのほか、退職教員や大学生など、合わせて100名を超える方々に登録していただいているところでございます。

高橋佳大議員 
放課後子ども教室は6カ所で参加人数が1万人になってますよと。それじゃあ、放課後の子供の居場所を提供する児童館のほうはどうなってるのかと。25カ所に児童館があるということですが、児童館の特に放課後の利用状況はどうなっているのか。また、児童館のある校区は25でいいのか、25なのか。そして、児童館のない校区は幾つあるのか。児童館のない校区のうち、放課後子ども教室を実施しているのが幾つで、今後の予定はどうなのか。ちょっと細かくなりますけれども、お知らせください。

多賀谷教育長 
児童館の設置状況と放課後子ども教室の開設状況などにつきましてのお尋ねでございますけれども、児童館につきましては、小学校2校区に1館を設置することを基本としておりますが、校区で申し上げますと、市内48の小学校区のうち23区に設置されており、未設置校区は25となっております。また、放課後子ども教室は、校区内に児童館のない4つの小学校で実施をしておりますが、今後につきましては、今年度開設予定の3つの小学校を初め、校区内に児童館のない小学校を中心に開設をしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

岡田芳樹福祉部長
 児童館の利用人員についてのお尋ねでございますが、児童館の年間延べ利用人員は、平成19年度が約35万1,000人で、前年比で約6万3,000人増加しております。また、今年度の4月から8月までの利用実績は、前年同期と比較いたしまして約2万人増加しております。

高橋佳大議員
函館の場合は児童館がかなりありますので、児童館の利用のほうが今のところは多いと。児童館のない校区を放課後子ども教室でこれから埋めていくということなので、頑張ってやっていただきたいなと思います。それから、よく言われることなんですが、学童保育と放課後子ども教室、これの連携とか一体化とかそういうことがよく言われたりいたしますけれども、函館市ではこの両者、児童館も含めてでよろしいですけれども、連携がどうなっているのか、これを教えていただきたいと思います。

多賀谷教育長 
 学童保育と放課後子ども教室については、両事業の指導員を対象とした放課後子どもプラン指導員研修会を実施し、指導員の資質の向上に努めており、また学童保育所においては、児童館に出向き、遊びの場として活用しているなど、それぞれ連携を図りながら事業を推進しているところであります。いずれにいたしましても、子供たちが放課後に、安心、安全な環境の中で健全に過ごすことが最も重要なことでありますので、子供たちの実情に応じて、それぞれの事業の特性を生かしながら、今後とも連携を図ってまいりたいと考えております。

高橋佳大議員
今、連携してますよという答弁をいただきましたけれども、函館以外の自治体の中には、連携するにとどまらないで、学童保育と、それから放課後子ども教室、これを一体化といいますか、一本化しているところがあるんですね。そういうところの状況や課題などをどういうふうに把握をされているのか、研究されているのか、わかったら教えていただきたいと思います。

多賀谷教育長
他の自治体での一本化、一体化の事例にかかわってのお尋ねでありますが、自治体によりましては、放課後子ども教室などの全児童対策の中で、おやつの提供や時間を延長しての開設など、学童保育所的な性格を取り入れて一体的に実施をしている例もあることは承知をしておりますが、こうした事例について、指導員の目が十分に行き届かないなどという声もお聞きしているところであります。

高橋佳大議員
 全国的な全国学童保育連絡協議会というところの文書を私今持ってるんですが、連携をするのはいいけれども、一体化についてはすこぶる評判が悪いんですね。どんなことを言ってるのかというと、目的、役割も内容も異なる2つの事業を同じ部屋の中で一体化して実施することは、事実上の学童保育の廃止であり、歴史の逆戻りであると言えますというふうな評価をこの団体はしておりますけれども、ずっと今やりとりをさせていただいて、それで函館市としても、やはり学童保育と全児童を対象にした放課後の事業と、これは連携すべきだけれども一体化はしない、それぞれ発展させるという認識でいらっしゃるなという感触を得ましたけれども、そういう押さえでよろしいでしょうか。

多賀谷教育長 
学童保育と全児童対策の一体化にかかわっての認識のお尋ねでございます。私ども教育委員会といたしましては、学童保育と放課後子ども教室や児童館などの全児童対策につきましては、それぞれ役割が異なり、独自の事業として実施する必要があると考えておりまして、今後におきましてもそれぞれの事業が互いに連携を深めて、放課後児童の居場所としてより一層充実させてまいりたいと、このように考えております。

高橋佳大議員
そういう方向で私もやっていただきたいなというふうに思っております。

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