2012年8月13日月曜日

竹島問題を考える

韓国のイ・ミョンバク大統領が竹島に上陸するとか、韓国のサッカー選手が試合後に竹島(韓国名・独島)領有を主張するメッセージを掲げたことがIOCで問題になるとか、竹島の領有問題で日韓間に緊張が走っています。

竹島の領有問題をどう考えたらよいのか、2006年の韓国訪問の際、韓国要人と対話した日本共産党の志位和夫委員長が党本部で行った報告会での発言が、12日付けの「しんぶん赤旗」に再録されています。HPに出ていないと思いますので紹介したいと思います。

竹島問題を考える志位委員長の発言(2006.9.25)

4つめに、日韓の間にあるどんな懸案事項を解決するうえでも、歴史問題で日本が誠実な態度をとること-侵略戦争と植民地支配への反省をきちんとおこなうことが、冷静な話し合いを成り立たせる基礎になることを痛感いたしました。

たとえば、日韓の間には、竹島――韓国では「独島」と呼ばれている島の領有をめぐる問題があります。韓国では、国民のおそらく99%以上が、「独島」は韓国の領土だ、日本帝国主義の侵略によって最初に奪われた領土だと考えています。

9月5日におこなった西大門での韓国メディアとのインタビューでも、この問題への態度が問われました。9月7日におこなったハンナラ党のキム・ヒョンオ院内代表との会談でも、この問題についても「さらに関心を持ってしめしていただきたい」と要請されました。

私は、「この問題は、靖国問題などとは違った事情があります。わが党は、1977年にこの問題についての見解を発表していますが、竹島(独島)の領有権を日本が主張することには、歴史的な根拠があるとそのなかでのべました」と、まず、私たちの立場を率直に伝えました。ハンナラ党のキム・ヒョンオ院内代表との会談では、私がそこまで言いますと、「共産党がですか」と聞き返してきました。会談は一瞬、緊張しました。

私は、「そうです」と答えるとともに、「同時に、この間題が、1905年に起こったということを私たちは重視しています。すなわち韓国の植民地化する過程で、これ(竹島の日本への編入)がおこなわれたことも、まざれもない歴史的事実です。韓国はすでに外交権を剥奪(はくだつ)されており異議を申し立てる条件がありませんでした。ですから、韓国側のいい分も検討しなければならないと考えています。植民地支配への反省という問題が基礎にないと、この問題は、冷静に話し合いができないと想います。その反省のうえに、事実を付き合わせる冷静な共同研究が必要ではないでしょうか」とのべました。

そうしますと、先方から、「いいお話をありがとうございます。植民地化の過程については、私の方からあえて申し上げなかったのですが、それについて志位委員長の方から言及されたというのは、非常に意味のあることだと思います」との答えが返ってきました。この会談は、一瞬の緊張はありましたが、最後はたいへん友好的な雰囲気で終わりました。

竹島問題は、日韓間で非常にこじれている問題ですが、私は、この会談を通じて、こじれにこじれた糸をときほぐす道が見えたように思えました。1965年の日韓基本条約の締結にいたる過程で、日韓両国政府間で竹島領有をめぐって往復書簡による論争があります。

その論争の過程でも、また今日においても、日本政府は、韓国併合-植民地支配を不法なものであったと認めていません。それを認めないもとで、竹島の領有権を主張するから、韓国国民の側からは、この間題が「侵略の象徴」となってしまうのです。ですから韓国政府は、この島の領有権をめぐっては話し合いすら拒否するという状況にあります。

日本政府が、植民地支配の不法性、その誤りを正面から認め、その土台のうえで竹島問題についての協議を呼びかけるなら、私は、歴史的事実にもとづく冷静な話し合いが可能になると、これらの交流を通じて痛感したしだいです。

6 件のコメント:

  1. 5区の鈴龍こと鈴木です。
    竹島問題では高橋さんのブログがもっともよいと思い
    私のブログで紹介させて頂きました。
    事後報告になりますがよろしくお願いします。
    コーヒータイムの横に紹介していただきありがとうございます。

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  2. コメントありがとうございます。竹島問題では、志位委員長の発言が、一番良いのですが、党のホームページに載っていないので、紹介しました。鈴木さんのブログの素朴な文章がとてもいいですね。

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  3. 江別市で議員をしている高橋典子です。
    鈴木龍次さんに引き続き、この記事のリンクを張らせていただきました。
    横着しているようで気が引けますが、よろしくお願いします。

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  4. コメントありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

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  5. 高橋典子さま。コメントをいただいたご縁で、高橋さんのブログを拝見しました。トゲのないまろやかな、そして写真の配置もうるさくなく几帳面なブログだと感心しながら読ませていただきました。これまで高橋さんのブログの存在に気がつかなくてごめんなさい。

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  6. どういたしまして。
    ブログは「市民のみなさんにわかりやすく、ちゃんと伝わるように」と心がけようと思っています。基準は家族に話した時の反応です。特に娘は手厳しいので、いつも鍛えられています(笑)
    ただ、パソコンは苦手で、いつも悪戦苦闘です。
    候補活動、大変かと思いますが、お体に気を付けながらがんばってください。

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