官製談合とその予防策について

今日函館市議会で私の一般質問がありました。その内容をすこしずつお知らせします。まずは官製談合問題です。

官製談合とその予防策についての高橋佳大一般質問（２０１０年１２月８日）

高橋

次は官製談合とその予防策についてです。今朝市長から報告もありましたが、北海道瞥は２日、官製談合防止法違反と偽計入札妨害の疑いで、函館市水道局事業部東部営業所長と配管業者２名の計３人を逮捕したとの報道がありました。私は議員になって１２年目ですが、これまで一度も官製談合の疑惑というのを聞いたことはありませんでした。しかしもし官製談合があったとしたら、函館市政の信頼にかかわる重大な問題です。逮捕後、警察で不幸な出来事があったことはとても残念ですが、重大な問題ですのであえて質問することとしました。


まず今回の官製談合の疑いとはどのようなものか、２つ目に談合情報が寄せられていたそうですが、それはどういうもので、これにどのように対応したのか、３つ目は今回の事件を市長はどのように受けとめ、どのように対応しようと考えているのか。４つ目に官製談合を今後どのように防止するのか、伺うものです。

答弁
今回の官製談合の疑いについてのお尋ねですが、官製談合の疑いがあるとされた入札は、平成２０年２月７日に行われた「（１９）市営住宅小安西団地１２号棟新築機械設備工事」であり、当時の戸井支所建設課長が、南茅部支所管内の業者に落札させる目的で、予定価格を漏らしたとして、｢入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律」逮捕されたものであります。

談合情報の内容とその対応についてのお尋ねですが、談合情報につきましては、当該工事の入札を執行した翌日であります、平成２０年２月８日に市長の携帯電話に入ったものであります。その後，すぐに入札を棄権した１者を除く指名業者７者と談合情報で当時の戸井支所建設課長の関与が疑われるとの情報だったことから同課長の事情調取を行いました。

事情聴取では、１者が「談合の働きかけがあったが、加担しなかった」と回答しましたが、他の６者は「談合はない」と答え、建設課長も関与を否定いたしました。その後，事情聴取した７者から誓約書の提出があり、談合の働きかけがあったと回答した業者と落札業者に対し、再度、事情聴取を行いましたが、談合があったと認めるに足りる事実は確認できないため、２月２７日に落札業者と契約を締結したものであります。

今回の事件をどう受け止め、どのように対応するのかとのお尋ねですが、談合は、公正な入札を阻害する事となりますことから、これまでその防止について条件付き一般競争入札の導入や総合評価落札方式の試行など入札制度の改善に努めてきたところでありますが、この度、官製談合の疑いで市職員が逮捕され、また、その職員が死亡いたしましたことは、私といたしましても、大変な衝撃であり、非常に残念な思いであります。この度の事件に係わり市民の皆様や議員の皆様に大変ご心配をおかけしていることに対しまして、深くお詫び申し上げます。

私としては談合などの不正行為は絶対あってはならないことと考えており、先日、部長会議を開き、あらためて職員の綱紀粛正について指示したところでありますが、いずれにいたしましても、今後、再発防止に向けた様々な対策の検討などを行い、公弔公正な行政運営に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

官製談合を今後どのように防止するのかとのお尋ねですが、談合などの不正行為に対する防止策につきましては、平成１２年度に条件付き一般競争入札を導入して以降、対象範囲を順次拡大してきており、現在は、原則的に１３０万円を超えるすべての工事を対象としているほか、入札価格に加えて、企業の施工能力などを審査し、落札者を決定する総合評価落札方式の試行を拡大してきたところであります。

また、予定価格の漏えいによる談合関与を防止するため、予定価格の事前公表や、談合機会をなくす郵便入札の実施や指名競争入札に係る現場説明会を廃止するなど、談合防止は、一定程度、図られてきているものと認識しております。

しかし一方では、完全な談合防止策を講ずることは、なかなか難しいのが実態であり、今後、

官製談合の予防として、談合に対する職員の更なる意識の徹底などをはじめ、色々な手法について、様々な角度からねばり強く検討してまいりたいと考えております。

高橋

３点質問します。①これまで函館市で官製談合が起きたことはあるのでしょうか。②談合情報が寄せられた後、事情聴取を行なった。６者は「談合はない」 と答えたけれど、１者は「談合の働きかけはあったが加担しなかった」という証言がありました。これは非常に重い証言です。この証言の内容について、詳しく教えてください。③今後の対応については再発防止ということが答弁で言われていますが、真相を究明するということにはならないのしょうか。

答弁

これまでに市が関与した官製談合につきましては，私の記憶する限りでは、なかったものと認識しております。

「談合の働きかけがあった」とした業者の証言内容につきましては、その詳細については、１２月３日深夜に行われた家宅捜索で関係書類が押収されており、現時点では詳しい内容をご答弁することが難しい状況であります。

また，談合に係わる再調査につきましては、現在すでに警察が捜査を進めておりますことから、今後の捜査の進展を見守りたいと考えているところでございます。（終わり）