2012年11月13日火曜日

復興予算の流用と一緒にされては困ります

ひどい話です。3・11で津波の被害を受けた函館の企業が申請する準備を進めてきた「グループ補助金」が「対象外」になりそうなのです。復興予算が被災とは関係のない大企業の事業などに流用されていたことが大問題になっていますが、今回「対象外」とされそうなグループ補助金はまぎれもなく被災地の復興のためのものであり、復興予算の流用問題とはまったく別の問題です。



まず11月6日の北海道新聞の記事を紹介しましょう。

「東日本大震災で被災した中小企業の再建を支援する国の『グループ補助金』に関して、計約10億円の申請を予定していた道内の6グループを政府が『対象外』と判断し、道に伝えていたことがわかった。復興予算の不適切な使途が問題となったことを受け、政府が岩手、宮城、福島の被災3県以外への支出に慎重になっていることが背景にあるとみられる」。

「対象外」になりそうな道内6グループのうち2つのグループが函館のグループです。ひとつは「函館水産会」、もうひとつは「函館観光・食関連産業支援グループ」です。このうち「函館水産会」は9つの企業が参加しています。グループ全体では6億2400万円の事業費にたいして4億6800万円の補助総額になる予定でした。

今日、畠山和也党道政策委員長と一緒に「函館水産会」の代表である「函館魚市場(株)」を訪問し、山本部長さんからお話をうかがってきました。山本さんの話を紹介しましょう。

3・11の日、津波があんなに来るとは思いませんでした。9名だけ会社に残って、ひどくならないだろうから掃除をして帰ればいいと思っていました。でも違いました。津波は3回、4回とやってきましたが、一番大きかったのは午後11時ころでした。ここから見える「DOHSUI」の看板のところまできていました。フォークリフトやトラックなどが流されました。160㌧の船の舳先がもう少しで乗るところでした。大型冷蔵庫が浮いてかしがってしまいました。

少なからぬ被害を受けたので5月にグループ補助の話があったときはありがたかったです。倉庫にしても建築基準法が変わって杭を40㍍も打たなければなりませんし、冷蔵庫の土台が斜めになっているので直そうと思えば冷蔵庫を壊してしまわなければなりませんから。自分たちで「お金をくれ」と手をあげたわけではありません。売上げ落ちているけれど、がんばって、今すぐはできないけれど、将来的にはやろうと考えいた時のグループ補助の話はありがたかったです。やらせてほしいと資料も出して申請も出したんです。「いけるな」という感触はありました。

ところが10月になって、「本当に被害はあったんですか。津波はあったんですか」と。揺り戻しです。ですから写真や動画は全部、差し出しました。たしかに東北3県の方が被害は大きかったですから、そちらが優先なのはわかります。でも実際には被災地ではないところにお金が使われています。

正確でないところもあるかもしれませんが、以上が山本さんの話のあらましです。

「今日のお話をしっかり反映させて道庁と道経産局に申入れをします」と畠山和也さんが答えました。

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