2017年1月27日金曜日

函館市の亀田地区の公共施設統合について⑥

2週間ほど前に「亀田地区の統合施設」についての紺谷克孝議員の6月の一般質問を紹介しましたが、今回は3か月後、12月の一般質問の内容を紹介します。

亀田地区の統合施設について
2016年9月14日 定例市議会紺谷克孝議員(日本共産党)の一般質問

●紺谷克孝議員の質問
大綱3点目の亀田地区の統合施設について、お聞きします。ことしの3月に基本計画が決定となり、その進捗状況をお聞かせ願います。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
亀田地区の統合施設の進捗状況についてのお尋ねでございます。亀田地区の統合施設につきましては、本年4月から公募によりますプロポーザルを行い、7月に事業者を決定し、8月に業務委託契約を締結して、現在、基本設計業務に着手しているところでございます。

基本設計の策定に当たりましては、亀田地区における統合施設の整備に係る検討懇話会を初め、利用者説明会やパブリックコメントで御意見をいただき作成をいたしました亀田地区における統合施設整備基本計画に基づき、関係部局とも協議を行いながら作業を進めているところでございます。

今後も必要に応じて関係者の皆様からも御意見をいただき、平成29年3月までに基本設計を完了する予定となっております。

●紺谷克孝議員の質問
前回の定例会で、青森市と比較しながら地区図書室、とりわけ美原の図書室を残すべきだと質問いたしましたが、現時点での考え方について、お聞かせください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
美原図書室についてのお尋ねでございます。平成26年3月に策定をいたしました今後の公共施設のあり方に関する基本方針に基づく各施設の今後の方向性におきまして、地区図書室については利用実態等を踏まえ、統廃合の検討を進めるとしております。

このたびの亀田地区統合施設の整備に伴い、美原図書室が設置されている亀田福祉センターが解体されることとなりますが、美原図書室は地区図書室の中で最も中央図書館に近接し、中央図書館との併用率も高いため、新たな統合施設に地区図書室は設置しないこととしております。

なお、この統合施設においては来館者が気軽に利用できる図書コーナーを設置する予定でございまして、統合施設の基本設計や運営方法を検討する中で、その具体的な機能につきましても整理をしてまいりたいと考えているところでございます。
 
●紺谷克孝議員の質問
設置しない、図書室を設置しないという理由は、中央図書館に最も近接していると、あるいは中央図書館との併用率が高いという答弁でした。6月議会でも併用率は高いが、本の貸し出しを行っている比較では、地区図書室が全体の本の4分の1が地区図書室から貸し出していると。しかも美原図書室は人口のふえている地域で、千歳図書室を除いて2番目に多い冊数を貸し出しているというふうに、私も質問しております。

一番中央図書館に近いために廃止という答弁でしたが、美原地区からは中央図書館までに歩いていくのは大変で、多くはバスの利用と思います。車の利用ができない高齢者や学校から帰ってきた子供たちから本の貸し出しを奪うということになりかねないんじゃないかと。

青森の12カ所ある地区図書室、そのうちの一つで最も市民図書館に近い、歩いて10分のところにある古川市民センター、もちろん本の貸し出しも行っています。民間に委託されていましたが、5月に行ったときにセンター長とお話をしました。歩いて10分のところに市民図書館はあるが、多くの市民、子供たちが古川市民センターにも本を借りに来てると、胸を張って答えていたことが大変印象的でした。歩いて10分のところにもあるんです、青森は。しっかりと貸し出しを行ってると、歩いていけないところです、美原図書室。だから何ら中央図書館から近いとか、美原地域からの人は中央図書館と併用率が高い、これらは全く廃止のための根拠にならないということを申し述べておきたいと思います。

あるいは、基本計画では、統廃合の理由を人口減や財政面を理由としていますが、それでは各地区図書室の維持費がどのようになっているのか、平成27年度でいいから教えてください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
地区図書室の経費についてのお尋ねでございます。中央図書館及び6つの地区図書室につきましては、平成27年度より指定管理者制度を導入いたしまして、一帯で管理・運営しているところでございます。

指定管理委託料につきましては、中央図書館と地区図書室の全体での契約となっておりますが、このうち地区図書室分は、平成27年度函館市図書館管理業務収支決算書によりますと、おおむね人件費で約2,200万円、施設管理費などの物件費で約870万円、蔵書整備などの事業費で約550万円となり、合計で約3,620万円となっております。

このほか全体的な管理にかかわる人件費や一般管理費など、約5,600万円並びに指定管理委託料以外で蔵書検索や貸し出し業務などにかかわるシステム運用費や通信回線使用料約2,000万円など、中央図書館と地区図書室で区分できない経費もございますが、これらにかかわる経費も要しているものでございます。

●紺谷克孝議員の質問
今の答弁でかかっている経費については、6図書室で3,620万円、区分できないものもあるので、おおむね4,000万円というふうにしても、平均1地区図書室で700万円、調べたところ、一番大きな千歳図書室では約1,100万円程度かかっているというふうなことです。したがって、千歳図書室は非正規の民間の職員が3名、美原図書室は2名が常時配置というふうになっています。仮に美原図書室で700万円の経費がかかっているとしても、人件費は2人で約400万円程度というふうに思われます。市職員の1人分の人件費にもならないんです。年間2万3,400人の市民が利用している。8万7,400冊の貸し出しを行っている美原図書室を廃止していいのか。700万円、市の職員の大体1人分の人件費です。この人件費で十分維持できる、こういう図書室を経費的にもそんなにかからないと。これは函館市の教育行政が本当に問われている内容だというふうに思います。

公益法人である日本図書館協会は、公立図書館の任務と役割を、次のように言っています。「住民はだれでも、どこに住んでいても、図書館サービスを受ける権利をもっている。自治体は、その区域のすみずみまで図書館サービスが均質に行きわたるように努めなければならない。一つの自治体が設置する複数の図書館施設は、図書その他の資料の利用または情報入手に関する住民の要求を満たすために有機的に結ばれた組織体でなければならない。このような組織を図書館システムという。図書館システムは、地域図書館と移動図書館、これらの核となる中央図書館から成る。自治体は、すべての住民の身近に図書館のサービス・ポイントを配置する。」このように言っています。公立図書館のこのような役割、これから見ても財政や人口減、もちろんあるわけですが、このような役割から見ても廃止でなくて、むしろ充実させるべきだというふうに思いますが、見解をお聞かせください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
図書館サービスの拡充についてのお尋ねでございます。 本市では、現在中央図書館のほか美原、湯川地区などに6つの地区図書室などを開設をしているところでございますが、これまで平成15年3月に老朽化した第一分館を廃止し、翌4月に千歳図書室を開設いたしますとともに、平成17年3月には上湯川児童図書室を廃止したところでございます。

地区図書室は利用者が減少傾向にございまして、また、将来的な人口減少や厳しい財政状況を考慮し、今後におきましても利用実態などを踏まえながら、各地区図書室の統廃合の検討を進めていくこととしているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
利用者が減少していくという答弁でしたが、6月議会でも質問させていただきましたが、青森市は人口減の中でも地区図書館の貸し出しを5年間で118%に伸ばしているという、こういうお話もさせていただきました。廃止を前提に事を進めるのではなくて、利用者を拡大する、これが大事だと。ぜひ大いに市民に本に接してもらうという、こういう計画を立てて、青森市のように取り組んでいただく、そのことが教育委員会の本来の役割だというふうに述べさせていただきたいというふうに思います。

次に、統合施設の調理室について、質問いたします。社会教育施設としての調理室の役割について、どのようなものがあるか、お聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
調理室についてのお尋ねでございます。亀田地区におきましては、亀田福祉センターや亀田公民館に調理室が設置をされておりまして、市民を対象とした料理教室や料理づくりなど、交流や食育の場として利用されているところでございますが、その稼働率は講堂や会議室、研修など、他の諸室と比較すると低い実態にあるところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
統合される5つの施設には、亀田福祉センターと亀田公民館に調理室があると。社会教育施設という位置づけからも、また食育からという点でも、最低限、女性センターの同規模程度は必要だというふうに思いますが、お聞かせください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
調理室の必要性と規模についてのお尋ねでございます。亀田地区統合施設におきましては、コンパクトかつ経済的な施設を整備する上で、既存施設のような調理室は設置しないこととしておりますが、一部要望がございますことから、亀田福祉センターや亀田公民館の調理室の利用実態を踏まえ、簡易な調理機能を設置する方向で基本設計を進めてまいりたいと考えております。

●紺谷克孝議員の質問
利用が少ないとかということが一つの焦点にもなっていると思います。利用が少ないというのは、やはり今の調理室が非常に使い勝手が悪いんじゃないかと、例えば換気が非常に悪いとか、あるいはつくっても試食する場所がないと、隣接してないということだとか、あるいは入り口がちょうど図書室の前にあって、非常に音が出る施設と出ない施設が、ちょうど向かい合ったところにあるということで、私もいろいろ料理には参加しているわけですが、そういうことが非常に気になる点です。だから、使いやすい、使い勝手のいい調理室をきちんと整備すれば、多くの市民が利用するというふうに思います。

統合施設では、児童館、老人福祉センター、公民館など、さまざまな機能を有する施設だと、統合施設は。したがって、市民の要望に応えるべく図書機能や調理機能、これも十分存続させるということを強く要望しまして、私の質問を終わります。

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