2017年1月15日日曜日

函館市の亀田地区の公共施設統合について⑤函館市の図書館機能のあり方

私はこれまで函館市の亀田地区の公共施設の統合について何度か書いてきましたが、紺谷克孝議員からこのこととも関連した「市の図書館機能のあり方」についての市議会一般質問の会議録をもらいましたので紹介したいと思います。

2016年6月23日 定例市議会一般質問
市の図書館機能のあり方について 紺谷克孝(日本共産党)議員

●紺谷克孝議員の質問
大綱1番目は、市の図書館機能のあり方についてでございます。その一つは、中央図書館を中心とした図書館及び地区図書室などの本来のあり方について質問をいたします。

函館市の図書館は、昨年の4月に中央図書館が指定管理者の管理となり、図書館そのものの運営が民間に任されるということになっています。また、地区図書室が統合計画の中でどう継承されていくのかが、市民の中でも今、議論が始まっています。

図書館とは、住民の誰もが気軽に知りたいことや学びたいことが必要となったとき、その必要なことに対して資料・情報を提供し、その手助けをする機関です。したがって、図書館は、常に情報収集して整理し、住民の要求に十分応えることができるよう準備をすることが求められています。
さらに、図書館は、本なども含め、資料提供を行うため、地区図書室、移動図書館などを持ち、図書館から離れた住民に対しても、サービスを提供するという体制を整えています。図書館にない資料や情報については、他の自治体の図書館や大学、高校などとも相互の貸し借りによって提供を受けようとする努力も当然でございます。基本的な人権である住民の学習権を保証していくとことが、本来持っている図書館の役割だというふうに思っています。

図書館機能について、同じ中核市である青森市、旭川市、この事例と比較しながら質問をいたします。

最初に、青森市の図書館を調査したとき、「いつでも、どこでも、誰でも」が図書館を利用できる、これを目指すという言葉になっています。函館市の図書館も同様の考え方なのか、お聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
青森市の図書館では、議員、今、お述べになりましたけども、「市民の生涯学習を支援するために、市民図書館の資料の充実を図り、「いつでも、どこでも、誰でも」身近に利用できる図書館」を目指すという運営方針を定めているところでございます。

当市でございますけども、教育委員会の平成28年度の部局等運営方針の中で、図書館につきましては、「市民が自ら学ぶために必要とする各分野の資料や情報を提供する場として必要な施設であることから、少子高齢化等の社会環境の変化を踏まえた効率的な管理運営と更なる図書館サービスの充実を図る」として、また、各図書室については、「利用実態を踏まえた統廃合の検討を進める」ということにしております。

◆紺谷克孝議員の質問
ことしの3月に、函館市の中央図書館の10周年記念の講演がありました。その講演の中で、函館市と青森市の図書館同士のつながり、青森市の市民図書館、駅前のアウガというビルの中にありまして、6階から8階までが図書館になってる。設立されて、開始したのが2001年ということで──函館市の中央図書館が2006年ですから、同じ時期に発足したので、これはお互いに交流があって、それぞれよいところを吸収したということも聞いております。

アウガに行って図書館を見ると、函館市の図書館によく似た、そういうつくりもなっているということで、そこの図書館が、「いつでも、どこでも、誰でも」という、そういうスローガンになってると。「いつでも」というのは、日にちですね、日にちと時間の問題。例えば、休館日も函館市の図書館だと週に1回、月に4回は休みだと。しかし、青森市は月1回と、正月も1月元旦だけ休みだと。開館時間も夜9時までやっているということが、「いつでも」ということです。

「どこでも」というのは、市内どこに住んでいても平等に本に接する。このために青森市の図書館は非常に頑張っていると。

「誰でも」というのは、高齢者でも子どもでも、それから身体に障がいのある方についても、図書館を身近に利用してもらうということで努力していると。
 
そういう図書館の環境を整える、このことが本来あるべき姿と。そういう点では、函館市とも共有できるスローガンじゃないかというふうに思います。

ぜひ、交流がすごく盛んに行われているというんで、それぞれよいところは吸収するという立場で、ぜひ青森市の、「いつでも、どこでも、誰でも」ということを函館の図書館でも、スローガンにはなってなくても、本来のあるべき姿ですから、頑張っていただきたいというふうに思います。
 
次に、図書館の情報提供のかなめとなっている資料購入、過去5年間、どの程度で推移しているか、教えてください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
資料購入費の5年間の実績についてのお尋ねでございます。本市の図書館の資料購入費の実績につきましては、平成23年度3,571万円、平成24年度3,134万円、平成25年度3,007万円、平成26年度2,950万円で、平成27年度は指定管理者からの報告によりますが、3,169万円が支出されております。 

●紺谷克孝議員の質問
 
今の答弁にあったとおり、函館市の図書館資料購入、横ばいか、やはり全体として少し減ってきているというふうに思います。調べますと、函館市だけでなくて、全国的な傾向として、1993年をピークに減り続けているというのが実態でございます。
 
図書館を運営していく上では、新鮮な資料と将来の利用も見据えた蓄積があっての図書館ですから、購入費が減り続けているという状況は、全体としてはやはり残念なことであり、函館市は昨年度──平成27年度から指定管理者に委託しているので、資料購入をするときの予算要求などで十分な図書館側の意思が反映される要求となっているのか、この点についてお聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
資料購入費についてのお尋ねでございます。指定管理者委託料の資料購入費につきましては、函館市図書館の管理に関する協定書で、委託機関の各年度において、下限を3,120万円と規定をしております。指定管理者導入の前年度でございます平成26年度の市の資料購入費予算額を下回ることがないように設定をしているところでございます。

また、資料購入費の増額につきましては、指定管理者の裁量で行えることになっておりまして、平成27年度の事業実績報告書においては、下限を上回る資料購入費が支出されているところでございます。

さらに、選書につきましては、市が定めた函館市中央図書館資料収集方針及び函館市中央図書館選定基準などに基づき、指定管理者が選定することとなっており、毎月、資料購入リストが教育委員会に提出され、市としても確認をしているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
今、資料購入のことで答弁があったわけですが、やはり心配する点は、図書館自体をどうしていくのか──拡大するとか縮小するとか、そうしたときに、現場の声をどうそういった計画に反映させていくのかということが非常に心配ですね、今後。

やはり、市の職員で直接、現場──図書館の業務に携わっている職員がいなくなりますから、指定管理者で。そういう点では、1年目ということもありますので、今後、その推移を見ながら、予算や決算で質問していきたいというふうに思います。

次に、図書館の資料図書の購入と、その装備についてお尋ねします。図書の購入については、市内の書店を通して購入しているというふうに思いますが、昨年以前の図書館が直営のときと、それから現在、指定管理者が導入された時点で、図書の装備費がどのように支払われているのか、お聞きします。

◎教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
図書の装備費の支払い方法についてのお尋ねでございます。図書館では、平成17年11月に中央図書館に電算システムを導入した際に、コンピューター管理となりますことから、バーコードなどの装備を施した書籍、いわゆる装備図書を購入することとしたところでございます。現在の購入方法につきましては、指定管理委託料の中で指定管理者が購入しているところでございますが、従来と同様に装備を施した図書を購入しているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問 
公立図書館の大部分が割引価格か装備つきでの価格で図書を購入しています。指定管理者になって、大手の装備会社が独占的に出版界の市場を思うがままに動かしているというのが、いろんなところで聞かされています。

全国の図書館の購入する書籍の8割が、この装備購入で1社に独占されているという事態です。市が直営のときは、3%でということで──97%の価格で本を買うということで、これ自治体で購入する場合にそういう割り引きがあったと。しかし、指定管理者になった場合は、これは普通の人が買うのと同じ100%で買うというふうになっている。

装備は、カバーをしたりラベルを張ったり、バーコードをつけたりということで、一定のこれはお金がかかることは明らかです。97%で買っていたときは、この3%が装備費ではないかということが想定されてて、そういう価格で購入してたと。しかし今、指定管理者で定価どおり購入するということになると、装備費がどこで払われているのかということが疑問になってくるわけですね。もちろん、装備費というのは、市の経費の中で払っている──委託料の中で払っているというふうになるわけですから。

したがって、1,000円で買ったものが、ちゃんと装備されて1,000円で購入されてくると。しかし、定価も1,000円だという場合は、この装備費はどこで払われたかというのが非常に問題になるわけです。先ほど言ったように、この装備の関係は、独占的な会社によって8割が支配されているという状況が明らかになっています。
したがって、私はこの装備費の、函館市が払っている──直営のときには3%、今は幾ら払っているかわからない。払われているのか払われていないか、そういうことも含めて、きちんとこれは調査をする必要があるんじゃないかということで──装備費の領収書下さいと言ったらないんですから、これ。そういうことで、ぜひ、これは今後、調査していただきたいと。今後、決算その他で質問をするということを予告はしておきたいと思います。

次に、青森市の県立図書館と函館市の中央図書館の役割について、質問をします。函館市には、残念ですが、道立図書館はありません。青森市には、青森県立図書館があります。先日、この県立図書館を調査しました。県立図書館が青森県民、青森市民に対してさまざまな取り組みを行っていると。資料収集や特別企画展、意欲的に取り組まれている。そういう中で、道立図書館のない函館市では、青森県の県立図書館が果たしてる役割をある程度、函館市中央図書館が担わなければならないのではないかというふうに思っています。

一例ですが、県内の9大学と協定を結んで、2009年から大学の図書館と横断検索システムを立ち上げて、県立図書館の搬送車によって相互の貸し借りを実施していると。函館市内にも、主な大学だけでも4大学あります。中央図書館が、青森市のように大学との相互貸し借りをできるように、これはせめて調査研究ぐらいは進めていただきたいなというふうに思いますが、見解をお聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
大学図書館との連携についてのお尋ねでございます。本市では、図書館が所蔵していない資料について、利用者からお問い合わせがあった場合は、大学図書館のホームページなどで所蔵確認をし、利用者に情報提供を行いまして、直接、大学図書館での利用をお勧めしているところでございます。
 
配本システム、横断検索のためのオンラインシステムを導入する場合の図書館、そして大学双方での経費負担、そして、また、これまでの問い合わせ件数などを勘案いたしますと、システムの導入は難しいものと考えているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問 
青森市の件数等についても、きょうは時間がないので言いませんが、相当、これ活発にやられているということで、やはり大学の人たちが中央図書館の図書を利用する。逆の場合、大学の図書が見れると、市民が。そういうことは地域の文化的な発展に対して非常に重要な役割を果たすということで、難しいと言っているだけでなくて、ぜひ調査や研究を進めていただきたいというふうに思います。

次に、子どもたちに対する絵本の読み聞かせの取り組み状況について、お聞きします。幼児期の読み聞かせについては、子供の感性を豊かにし、想像力を育てることだけでなく、子供の発達にとっても大きな影響があることは実証済みです。市の中央図書館と各地区図書室での、あるいは全体的な取り組みについて、絵本の読み聞かせがどのようになっているのか、お聞かせください。

◎教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
読み聞かせの取り組み状況についてのお尋ねでございます。図書館が主催をしております読み聞かせにつきましては、市内の読み聞かせボランティア団体の協力により、幼児を対象に中央図書館や地区図書室で定期的に開催をしているところでございます。

また、毎週日曜日には、中央図書館の読み聞かせスペースを一部開放し、読み聞かせボランティア団体会員が、布絵本やしかけ絵本などを使って子供たちと触れ合う時間を設けており、さらに毎週木曜日には、総合保健センターで行っている10カ月児健診において、えほんふれあい事業として、読み聞かせやお薦め絵本のリーフレットを配布をしているところでございます。

図書館以外の読み聞かせにつきましては、多くの小学校で読み聞かせボランティアと連携し実施しておりますほか、児童館では児童厚生員による読み聞かせを初め、子育てアドバイザーを活用した子育て支援事業や読み聞かせボランティア団体の協力による読み聞かせを実施しており、さらに公立の保育園においても実施しているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
答弁にあったとおり、絵本の読み聞かせの取り組みについては、さまざまな形で取り組まれているということで──しかし、中央図書館で取り組んでいるのは中央図書館で行う読み聞かせと、それから5つの地区図書室──これ桔梗の配本所ではやっていないと思いますので、5つの地区図書室で行っているということで、その他は全てボランティアとかそういう人たちに任せてやっていると。実績なんかも十分捉えてないというのが、今の中央図書館の答弁だというふうに思います。
 
仮に、美原図書室が図書コーナーなどに置きかえられて、貸し出し業務がなくなれば、美原図書室では読み聞かせはしないということになりますね。それは、確認できますね。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
今現在、新しく設置をされます亀田地区の総合施設に、来館者が利用できます図書コーナーを設置しようというふうに考えてございまして、現在、その図書コーナーの具体的な機能につきまして、これから基本設計や実施設計、そして運営方法を検討する中で整理をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
ちょっと明確に答えていただけなかったんですけど。中央図書館できちんと責任を持っているのは、地区図書室と中央図書館の読み聞かせだけと。その他児童館とかいろんなところでやっているは自主的にやっているか、ボランティアの協力を得てやっていると。しかし、中央図書館としては十分把握していないというのが実態なので、仮に美原図書室が図書コーナーとなれば、読み聞かせはボランティアにやってもらうと、中央図書館としては直接やらないということになるんじゃないかというふうに思います。

次に、函館市のブックスタートの取り組みについて、お聞きします。ゼロ歳児健診などで、赤ちゃんに絵本をプレゼントをして、子供の本に親しむ最初の第一歩として行う制度であります。市としては、どのような取り組みになっているか、お聞かせください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
ブックスタートの取り組みについてのお尋ねだと思います。ブックスタートは、保護者の読み聞かせに対する感心を高めるために、絵本を配布する運動でございまして、本市では実施をしていないところでございますが、教育委員会においては指定管理者に「えほんふれあい事業」を委託をしておりまして、読み聞かせの経験豊富なボランティア団体の会員による読み聞かせの実演を行い、乳幼児の反応や、それを見た保護者の読み聞かせに対する関心を高めるよい機会となっておりまして、今後ともこの事業を引き続き実施をしてまいりたいと考えているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
えほんふれあい事業はやっているが、ブックスタートはやっていないということですね。ブックスタートは、イギリスで1992年に始まった比較的新しい取り組みで、北海道では恵庭市が先駆的な取り組みを行っています。乳児健診時に絵本をプレゼントするということから始まる。

5月末現在では、全国1,741自治体の約55%の957自治体で取り組まれています。北海道では179自治体で62%──111自治体で既に取り組まれいてます。ブックスタートは、親子のふれあいを深める取り組みとして、さらには子育て支援や本と親しむ環境づくり、行政と住民が協働して行うまちづくりの具体的な例としても非常に期待されていると。

函館市では、まだ実施できるという領域には至っていないと。子供たちに──今、答弁があったとおり、ボランティア団体による読み聞かせの実演を行う程度ということで──ブックスタートの「ス」ぐらいだと思いますね。そういうことで、函館市でもこの分野ではおくれをとっているというふうに思います。既に全道で62%の自治体でやられてるということで、ぜひ計画を立てて取り組みを進めていただきたいというふうに思います。

次に、地区図書室のあり方について質問します。函館市全体の貸出冊数と、千歳や美原など6つある地区図書室の貸出冊数、この5年間でどのように推移してきているのか、お聞かせください。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
地区別の貸出実績についてのお尋ねでございます。
まず、中央図書館でございますけども、平成23年度は119万6,339冊、平成24年度は115万328冊、そして平成25年度は108万1,571冊、平成26年度は101万1,615冊、平成27年度は98万4,760冊となっております。

また、地区図書室でございますけども、平成23年度は44万9,456冊、平成24年度は43万5,310冊、平成25年度は41万4,923冊、平成26年度は38万9,999冊、平成27年度は36万6,806冊となっているところでございます。

紺谷克孝議員の質問
貸出冊数がずっと減少傾向にあるということだと思うんですよね。それはどういう理由なのか、お聞かせください。

◎教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
貸出冊数が減少している理由ということでございます。貸出冊数が減少している理由といたしましては、人口の減少、こうしたことが大きな理由になっているのではないかと考えているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
人口の減少が進んでいるので、貸出冊数も減少しているということです。答弁はね。
 
資料1を見ていただきたいんですが、函館市と青森市のこの5年間の地区図書室の貸出冊数、函館市が平成22年度ですね、39万5,222冊に、それから平成26年度が36万7,050冊ということで、それから青森市が同様にこれを見ると、青森市の地区図書室の貸し出しは、函館の大体半分ぐらいということですね。箇所は12カ所ということでたくさんあるんですが、函館は5カ所プラス1カ所──6カ所ですけれども、頑張っていると。

全体の、だけど、伸びを見れば、その下に書いてあるとおり、5年間の比較では、函館は92.8%、落ち込んできていると。青森市は118.4%ということで2割増になっているということですね。だから、青森市も人口減ですよ、どんどん減少してますからね。だから、人口減の中でも20%もふやせるという──努力次第ではできるんだと、余り人口減だけにとらわれるということはいかがなものかということが、この数字でも言えるんじゃないかと。
次に、函館の小・中学校への貸し出しはどのようになっているか、実績についてお聞きします

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
小・中学校への貸出実績などについてのお尋ねでございます。中央図書館におきましては、市内の幼稚園や保育園を初め、小・中学校、公民館などの公共施設、読み聞かせ団体などに団体届けをしていただいた上で、1回100冊を上限として、1カ月間貸し出しをする団体貸し出しを行っております。

この中で、小・中学校の貸し出し冊数についての統計はとっていないところでございますけども、団体貸し出し全体の実績といたしましては、平成23年度229団体に5,270冊、平成24年度319団体に7,840冊、平成25年度250団体に6,529冊、平成26年度154団体に5,833冊、平成27年度109団体に3,309冊となっております。

また、東部4支所管内の小学校に対する配本実績につきましては、平成26年度より全7校に対しまして寄贈された児童図書約150冊を3つのコンテナに分け、1校につき、おおむね1カ月ずつ、順次貸し出しを行っているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
小・中学校への貸出冊数は、統計はとってないと。しかし、それも含めて、さまざまな団体の貸し出しについては数をとっていると。しかし、全体的に見れば、団体数では3分の1、この5年間で。さらに冊数についても、やはり半分ぐらいには減ってきていると。激減ですね、団体貸し出しについては。小・中学校については、東部4地域の小学校についてのみ寄贈された児童図書150冊を順次、回覧しているというか、貸しているということですね。

資料1でも、参照してもらえばわかるんですが、学校団体貸出ということで、青森市では、この下から3番目ですね、平成26年度は6万4,854冊ということで非常にふえていると。青森市では、どういうふうにやってるかというと、近くに図書館やそういう配本所がない、そういうところに貸し出してると。小・中学校64校あるうち、13校の小・中学校に対して、3カ月に1回300冊を上限として本の貸し出しを行っていると。配本は、図書館の専用配送車を利用して、全て学校に持っていくということですね。今、言った資料を一応参照してもらってもわかるように、平成26年度は6万4,854冊ですね。だから、平成22年度に比較して151%、5割増しの貸し出しが小・中学校に行われているということです。
 
さらに、青森市では、近くに図書館、配本所がない地域に、貸出文庫という制度があるということで、これは幼稚園とか保育所とか公民館、そういうところ。例えば、浅虫町会館文庫とか、浅虫の町会館にも文庫があると、市内26カ所あると。会員登録制だということで、1カ月300冊を上限に、図書館からこれも配本して、各地域で図書の貸し出しを行っていると。
 

表1でも、上から3つ目ですね、平成26年度で9万7,014冊、平成22年度は5万1,171冊ですから、大体倍ぐらいですね。地域で貸出冊数がふえていると。人口減でですよ。人口減でもふえているという、こういう結果、青森市の取り組みが実際にこういう実績になっていると。
 
ここで言えるのは、青森市は、地区図書室は、函館市より設置箇所が多いが、地区図書室としては、活用は函館市のほうが多いと。大体、全体の26%が函館市──だから4冊に1冊は函館市民は地区図書室から借りているということですね、冊数で言えば。青森市は15%ですよ。12カ所あって15%。函館市は6カ所しかないのに、26%の貸し出しを地区図書室から行っているということなんですね。

また、遠くの小・中学校やあるいは図書文庫、地域の図書文庫をして、多様な形で市民に貸し出しを行っていると。地区図書室だけでなくてね。それをトータルすると、全体としては中央図書館で扱うよりも地域で貸し出しをしているそこのほうが非常に比率が多くなるということです。
 次に、函館市の地区図書室として上湯川廃止──上湯川児童図書室ね、これ廃止。千歳・美原の夜間が廃止される。旭岡の午前中の開館が廃止されると。この廃止した理由、なぜそうなったのか。市民的合意があったのかをお聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
地区図書室の廃止等についてのお尋ねでございます。上湯川児童図書室につきましては、利用者の減少に伴い、廃止することについて町内会の役員へ説明を行い、一定の理解を得た上で、平成17年4月から廃止をしたのものでございます。

また、千歳図書室、美原図書室の夜間開催につきましては、美原図書室への試行から始まったものでございまして、中央図書館開館後の利用状況も踏まえ、平成18年8月に中止をしたところでございます。さらに、旭岡図書室の開館時間につきましては、平成22年8月に実施をされました函館市事業レビューにおきまして、函館市中央図書館開館後の利用者ニーズの変化に対応し、各図書室の統廃合を検討するべきとの評価を受けたことから、町内会の役員や近隣の小・中学校に御説明をさせていただき、平成24年4月から短縮をしたところでございます。
 
●紺谷克孝議員の質問
今の答弁ですとね、利用者が少ないからとか、利用状況を踏まえてとか、利用者ニーズが変化して借りなくなったとか、そういう理由で縮小したということだと思います。先ほどの青森市の事例でも実証されていると思います。市民に対して平等に、市民の学習する権利を保証するという立場では、青森市がいい実例だと思います。頑張って、人口が減ってでも貸し出しを150%、200%近くまで、そういうふうに頑張っているという事例ですね。こういうところをぜひ参考にして頑張ってもらいたいというふうに思います。

次に、ことしの3月に作成された亀田の統合施設基本計画、これが今、プロポーザルで基本設計を進めている──業者選定が、今されているという状況です。どう、今の美原の図書室が、機能が継承されるかということは、この間のいろんな議論の中でも明らかになってきていますが、改めて少し、どう継承されるのか。呼び方、名称が、コーナーとなるにしても、具体的にどう機能を整理したいとかいうことですけど、どう整理するのかよくわからないんですね。だから、その点について、再度。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
亀田地区統合施設における図書機能についてのお尋ねでございます。本年3月に策定をいたしました亀田地区における統合施設整備基本計画におきまして、新しく設置をされる亀田地区統合施設には、来館者が利用できる図書コーナーを配置する予定でございます。今後、統合施設の基本実施設計や運営方法を検討する中で、図書コーナーの具体的な機能につきましても整理してまいりたいと考えているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
よくわからない内容ですね。図書コーナーの具体的な機能とか、よくわからないですね。私は──この基本計画、ことしの3月までは企画部がこれ、つくってたんですよね。4月1日から担当が教育になったということで、基本計画をつくった、私は市長部局のほうにも重大な責任があると思うんですね。それで、合併特例債をどう使うかということも財務部を所管することだということで、市長部局もこの問題については答える責任があるんじゃないかというふうに思います。そういう点で、市長、この点についてどういうふうに、市長部局の参考意見でいいですから、ぜひお聞かせ願います。

◆市長(工藤壽樹)の答弁 
青森市の事例も挙げられて、地区図書館、あるいは図書室といいますか、そういうことについてのお話で、それに関連して亀田地区における統合施設の中での図書の部分の扱いということでございます。

もともと亀田福祉センターには図書室というのはありませんで、私は亀田市役所に入ったときに、あそこに教育委員会があったもんですからよく知っているんですが。亀田教育事務所が廃止されるときに、その空き室利用ということで、あそこに図書室が整備されたというふうにたしか記憶しております。長年にわたって亀田地区の住民にとっては、私もあそこの図書室に行って本を借りたりしたことも若いころありました。若いというか、今より若いころにありましたけれども、非常に高齢者の方、あるいは子供たちにも使われているなと感じておりました。

その後、中央図書館ができまして、近いと言えば近いし、遠いと言えば遠いしというような距離にあるわけですが、その中で教育委員会として、そういう施設のあり方を図書部分だけではなくて、今、公共施設のあり方全般を考えて、整備統合していくということでありますから、図書に関する部分については、図書コーナーということで今、進めて検討をしていきたいということであります。

署名活動というか、図書に関連する団体からいろいろ何かお話があるようであります。私としては、貸し出しを廃止する云々ということもありますけれども、図書に親しむ環境というのは維持すべきだということは考えております。

ただ、それが貸し出しを今までどおりの形でやるのかどうかということは、これは別なんでしょうが、何らかの形態を考えながら、場合によってはそういう要望されている団体がボランティアで自分たちか運営するというようなことを申し上げてもらうとか、いろんな手だてがあるんだろうというふうに思いますから、今後、教育委員会の中でよく検討していただけるかというふうに思います。

●紺谷克孝議員の質問 
教育委員会のほうではね、市長の参考意見ですから、参考にしながら少し中身を詰めていただきたいというふうに思います。

6つの図書室あるいは配本所は、平成26年──一昨年に出された公共施設のあり方を進めるという方向性の中で、同じ扱いになっているんですよね。必要な機能だが、指定管理者の導入と利用実態を踏まえて統廃合を検討して進めるというふうになってるんですね。そうすると、仮に美原がそうなると、他の5つもそうなるんでないかという危惧が市民の中にも当然あると思うんですね。その点については、どうなのか。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁 
地区図書室についてのお尋ねでございます。平成26年3月に策定をいたしました「今後の公共施設のあり方に関する基本方針に基づく「各施設の今後の方向性」」におきまして、地区図書室については利用実態などを踏まえ、統廃合の検討を進めることとしております。地区図書室の利用者は、減少傾向にございまして、また、今後の人口減少や厳しい財政状況なども踏まえながら、地区図書室の施設数や配置など、そのあり方について、現在、検討を進めているところでございます。

●紺谷克孝議員の質問 
そうですね。例えば、5つある図書室と、それから桔梗配本所ですね──これ同じ機能を持ってるんですが。私は、一つ一つを、そういう検討をしていくということではなくて、配本所、地域図書室のあり方というのが非常に大事だと思うんです。利用数利用数と言うけど、美原図書室はこの6つの中で第2位に利用されていると、冊数が多いと。しかし、仮に貸出機能をなくすということになると、ほかのところはほとんど少ないんですから、それなくすという話になるわけですね。

したがって、中央図書館だけでいいのか、あるいは地区図書室をきちんと残して、るる申し述べた青森型のそういう図書館機能を維持し発展させていくのかということが問われると思うんですね。これ一つ一つやるんでなくて、やはり地域図書室が函館市にとって必要なのかどうか、6カ所あるけど。こういう議論を市民的にも役所の中でもやらなきゃだめだと。一つ一つ個別に考えていくという問題でもないと思うんですね。だから、逆転してると思います。これは、要望にしておきますけど、議論の進め方をそういう形でぜひ進めていただきたいというふうに思います。

次に、3月につくられた基本計画を教育委員会として、図書室に関してはどのように──庁内の内部でもいろいろあったと思うんですが、どのように意見反映していたか。その点について、お聞きします。

◆教育委員会生涯学習部長(小林良一)の答弁
基本計画への教育委員会の意見の反映についてのお尋ねでございます。教育委員会といたしましては、所管する亀田公民館、亀田青少年会館、美原図書室が入っている亀田福祉センターが統合の対象となっておりますことから、整備に向けた基本的な考え方や亀田地区における統合施設整備基本計画の策定に当たりまして、関係部局と協議を進め、それぞれの施設の基本的な機能が維持されるよう意見反映を図ってきたところでございます。

●紺谷克孝議員の質問 
この地区図書室の最後になりますが、今、図書室を──いろいろ署名もされて、市民団体から要望書も出されて、それから書面も寄せられてると思います。私は、非常に函館市民ですね、やはり図書館、図書室を大事にしよう、地区図書室を大事にしようという気持ちのあらわれ、運動のあらわれとしてそういうものがあるというふうに思います。教育委員会としても、それを真摯に受けとめて、ぜひ教育行政に反映していただきたいというこうとを述べまして、ここの部分は終わりにしたいというふうに思います。

次に、2つ目の学校図書室について。学校図書を充実させる今までの取り組みと、その必要性についてお聞きします。子供の読書活動は、子供が言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことができないものです。学校における読書活動に不可欠な学校図書館は、児童・生徒の豊かな感性や情操を育む読書センターとしての機能を果たす役割まであります。その機能を十分発揮することが必要です。

これは、ある自治体──旭川市ですね──が学校図書の活性化、推進を進める目的として述べている。函館市も、同様の立場と思いますが、最近の学校図書充実のための取り組みとその必要性について、お聞きします。

◆教育委員会学校教育部長(木村雅彦)の答弁
学校図書を充実させる必要性についてのお尋ねでございます。児童・生徒が読書に親しみ、生活に必要な国語を正しく理解し使用する基礎的な能力を養うことは、学校教育法に目標の一つとして示されておりまして、学習指導要領におきましても、読書活動を充実することが求められております。

教育委員会といたしましては、各学校における学校図書を利活用した学習指導を通して、子どもたちの確かな学力や豊かな感性を育んでいくことが重要であると捉えておりますことから、今後も学校図書を充実していく必要があるものと考えております。

●紺谷克孝議員の質問 
受けとめは非常に──そういう受けとめだということで、充実させる必要があるということです。子供の読む力をつけるということで、いろいろ聞きますと、さまざまな形で各学校の中で、例えば朝、一斉読書だとか、そういう取り組みが市内の学校でも強められるというふうに──本を読む力を身につけるということでさまざまな取り組みが強められているというふうに聞いております。学校図書の購入予算の推移について、お聞きします。

◆教育委員会学校教育部長(木村雅彦)の答弁 
図書購入費の推移についてのお尋ねでございます。過去5年間の推移ですけども、小・中学校の学校図書館の図書購入費につきましては、平成24年度1,007万2,000円、平成25年度723万5,000円、平成26年度は929万6,000円、平成27年度は822万7,000円、平成28年度は予算額でございますが、827万円となっております。

●紺谷克孝議員の質問
図書購入費が少し下がりぎみか横ばい状態だということで、昨年の第3回定例会でも、函館市の図書購入費は、基準財政需要額のたった12.3%、その額が800万円ちょっとということで、非常に少ないということで、率で比べれば全道179自治体の11番目──下からですね──低いというふうに質問をいたしました。本購入のために、ぜひ、これは努力していただきたいというふうに思います。

次に、学校司書の配置で、昨年──平成27年度に学校図書館法の一部改正がありました。学校司書に関してどのような内容になっているのか、お聞かせください。

◆教育委員会学校教育部長(木村雅彦)の答弁 
学校司書についてのお尋ねでございます。現在、市立小・中学校におきましては、12学級以上の学校に、学校図書館、資料の選択・収集・提供や子供の読書活動に対する指導など、学校図書館の運営の中心となる司書教諭を配置しているところですが、学校司書につきましては、平成27年4月1日に施行された改正学校図書館法により、「専ら学校図書館の職務に従事する学校司書を置くよう努めなければならない」とされたところでございます。

●紺谷克孝議員の質問
道内でも、恵庭市を初め先進都市が幾つかあるわけですが、函館市と同じ中核市である旭川市の取り組みについては、2016年度は司書教諭とは別に学校司書を市立の小・中学校84校中54名が学校図書館に配置されていると、配置され始めたのが10年前の2005年から、最初に小学校5名、2006年に中学校5名、これがモデル事業として始まったと。
 
全国の到達状況は、昨年の第3回定例会でも質問し、資料を出したんですが、再度言いますと、平成26年度では小学校では54.5%、北海道9.5%、中学校では、全国52.8%、北海道8.0%の配置状況になっていると。函館は全てゼロで、市立高校もゼロ配置です。法律を変えて国は動いていると、きちんと規定しているということですね。そういう点で、函館の取り組み、今どのように考えているか、お聞きします。

◆教育委員会学校教育部長(木村雅彦)の答弁
学校司書の配置についてのお尋ねでございます。教育委員会といたしましては、児童・生徒の確かな学力を育てるとともに、言語活動や探求活動、読書などの活動を通じて、豊かな人間性を培うことが求められておりますことから、学校図書館の充実のために学校司書を配置することは大切なことと考えているところであります。
 
一方、改正法の附則におきまして、「国は、学校司書としての資格の在り方、その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」とされておりますことから、今後の国の動向を注視しながら、検討を深めてまいりたいと考えております。

●紺谷克孝議員の質問
国の動向を注視して、これから進めるって言ったって、国はもう注視どころか法律を変えて、学校司書というのはきちっとやって、努力目標といえども、やりなさいというゴーサインをかけてるんですよ。しかも、先ほど言いましたように、旭川市と比べればもう10年以上おくれてるんですよ。そういう実態をきちんとつかんで、まず計画をつくってくださいよ。

やっぱり、子供たちの学力を高めるとかいろいろ言いますけど、子供たちが本に親しんで、この中で将来、中学校、高校になっても本にどれだけ親しめるかどうか、この力が子供たちを育てる大きな励みになる、そういうふうに思うんですね。計画立てる考えないんですか。

◆教育委員会学校教育部長(木村雅彦)の答弁
計画策定についてということでございますけども、いろいろ御指摘のとおり、他都市の──道内であれば旭川市の状況も私ども把握しておりまして、そういうような他都市の状況もしっかり把握しながら検討を深めさせていただきたいなというふうに思っております。
 
●紺谷克孝議員のまとめ
他都市の動向を見れば、やらざるを得ないと思いますから、ぜひよろしくお願いします。

0 件のコメント:

コメントを投稿