2016年7月2日土曜日

函館市議会の議員定数について

函館市議会第2回定例会で、市議会議員の定数を5名減らすことが議会運営委員会で話し合われ、結論をみなかったことが新聞に載っていました。議員定数についてどう考えたらいいのか、以前、私が議員定数削減案に対して質疑した会議録を紹介します。

この質疑が終わったあとの採決で議員定数削減が決まりましたが、採決のあと、削減に賛成した議員2-3人から、「佳大さんの言っている通りですね。反対すべきだったかもしれませんね」とか「ヤジを言ってすみませんでした」とか声がかかりました。以下、私の質疑の大要です。


(このときは、共産党以外の会派がまとまって削減案の共同提案者となり、会議録に載っている私以外の議員は答弁者です)

議員定数削減案に対する高橋佳大議員の質疑(平成22年第1回2月定例会3月26日)

高橋佳大議員
議場の入口の上の電光表示板に、現在出席している議員の人数が書かれております。「36」になっておりますね。1人お亡くなりになって、1人が辞任されましたから、本来であれば「38」という数字が書かれていると思います。
 
今回提案された議案は、定数34を4つ減らして30にするという提案ですが、これは単純に4つ減らしたということではないということが、この電光表示板の数を見てもおわかりだと思いますけれども、そういう単純なものではないという点についていかがでしょうか。

能登谷公議員
はっきりちょっと意味がわからないんですが、高橋 佳大議員御存じのように、定数は現在、今38ですか、条例定数。条例定数が38。条例定数が34で、今現在は合併特例ということがあって38ということです。もともとは34の定数の中で、物が発せられてたという部分、合併によって一時80人近い形になって、そして今現在38になっているという変遷をとっております。

我々は、やはり「34」という部分を原点として考えた場合に、やはり市民の意見、いろんな有識者の意見、またいわゆる報酬審議会等の御意見もあり、それから市民からの請求といいますか、定員削減請求という部分も含めた中で、我々は34から4という形の中で、先ほど佐古議員が言いましたように、1万人に1人ということでいけば28あるいは27ということもあろうと思いますが、まず30という形の中で4人を減らすという大変に厳しい選択の中で、この提案を出させていただいたわけでございます。

高橋佳大議員
定数が34になりましたのは、平成14年6月の議会でした。選挙が実施されたのは、その翌年の平成15年4月、そこで34名になりました。でも、平成16年12月の合併で在任特例が採用されて、私の記憶ではそのときの議員数が81人になったと思います。そして、平成19年4月の選挙では、今度は定数特例がとられて、旧函館市は34名で、それから旧4町村の定数を1にして、今は本来であれば38になっているわけですよね。しかし、条例上の定数は34になっているので、定数以上に電光表示板の数字が多くなっているということになると思います。そういう認識でよろしいですか。

佐古一夫議員
それで結構だと思います。

高橋佳大議員 
そうしますと、まず今回の条例上の定数削減は4名ですけれども、事実上8名削減というふうに私は認識しておりますけれども、そういう認識でよろしいですか。

佐古一夫議員
それで結構だと思います。

高橋佳大議員
それで、(高橋が質疑に入る前の他議員の質疑に対する)先ほど答弁の中で、今回の定数削減について、中核市あるいは人口20万人から30万人の都市の議員1人当たりの面積がどうなのか。あるいは、人口がどうなのか。そういうことを総合的に判断をして、今回の条例改正を提案されたということでした。

議員定数が多いのか少ないのか、他の都市と比べるのに、先ほどお話があったように、議員1人当たりの人口でよく比較したりします。

議員1人当たりの人口が多ければ、議員定数が少ないということになります。人口が20万人から30万人の全国37都市は、議員定数の上限、法律上の上限が38名という点で類似、共通している都市ですが、その37都市の中で、先ほど総合的にというお話がありましたが、函館市の議員1人当たりの人口をどのように認識しているのか。多い方なのか少ない方なのか、どのように認識しているのか、伺いたいと思います。

佐古一夫議員
現在の条例の、あくまでもこの「38」という4名につきましては、特例的な数でございますから、条例で定めてます「34」というものをもとにして申し上げますと、割り返すことになるんでございますけども、そういうことになれば、一般的には、中核市の中では議員の数が多い部類に入るのかなというふうに思っております。

高橋佳大議員
これは、事実の認識の問題としてはっきりさせておきたいんですが、中核市というのは基本的に30万人以上の人口を持っております。函館は中核市になったときは30万人ありましたが、その後切っておりますね。

それで、中核市と比べるよりも、法律上の上限定数が38名である20万人から30万人の人口の全国37市を比べるというのが妥当な比較になると思います。それで、今中核市で答弁がありましたが、20万人から30万人の都市ではどうですかというのが質問です。

茂木修議員
高橋議員おっしゃるとおり、中核市ではなくて、20万人から30万人の都市でいくと、函館市は決して下のほうではございません。私の知り得るデータでいきますと、全国9番目、1人当たり8,386名というふうになるのかなというふうに思ってございます。

高橋佳大議員 
それで、これが「30」になったとすれば、順位がどうなりますか。

茂木修議員
ちょっと今電卓ございませんけれども、恐らく1番目か2番目になるのかなというふうに思ってます。

高橋佳大議員
私は、きのう、電卓で割る数を「34」から「30」にして計算をしてみたら、第1位の明石市を超えて第1番目になります。1番目になるということは、最も、人口が20万人から30万人の都市の中で議員定数が少ないということになります。

それでは、次に参りますが、ある自治体が、議会あるいは議員にどれだけのお金をかけているのか、市民1人当たりの議員報酬額を比較すればわかります。市民1人当たりの議員報酬額が多ければ多いほど、その自治体は議会にお金をかけているということになるかと思います。

人口が20万人から30万人の37都市のうち、函館の市民1人当たりの議員報酬額をどういうふうに認識をされているのか。多いほうだと認識をされているのか、少ないほうだと認識をされているのか。

茂木修議員
私の持っているデータによりますと、20万人から30万人で37都市のうち31番目ということですので、ずっと少ないほうだというふうに思ってございます。

高橋佳大議員
37の都市のうち31番目だと。「34」の定数が「30」に減ったら、電卓がないようですので、私からお答えいたしますが、37番目の厚木市を下回って、市民1人当たりの議員報酬額は最も少ないまちになります。

自分で答えてしまいましたので、次に行きますけれども、前回議員定数が「34」になった後に、先ほどもありましたが、合併によって函館市は広さという点でも大きな変化がありました。そのことをどのように認識されていらっしゃいますでしょうか。

斉藤佐知子議員
類似団体人口20万人から30万人の議員1人当たりの面積は19.94k㎡で、私の持っている資料では37都市中、現在5位だというふうに思っております。

高橋佳大議員
議員1人当たりの広さ、面積が第5位だということですが、これも斉藤佐知子議員が持っている資料と私の持っている資料は同じだと思います。これを割る「34」ではなくて、割る「30」で私はきのう計算をいたしました。そうしますと、函館市の議員1人当たりの面積は、第1位の上越市、第2位の松本市に続いて第3位に浮上をいたします。

これもまた今私が答えてしまいましたので、次に参りますけれども、市町村合併は、都市の性格も変えたと思います。このことについて、どういう認識をお持ちでしょうか。(「質疑になじまないんじゃないか」の声あり) 最後まで聞いたらわかります。

議長(吉田崇仁) 
高橋議員に申し上げますけれども、質疑は議案に対する疑義をただすものでございまして、ひとつその点、御理解して。

高橋佳大議員
質問は最後まで聞いてもらったら議案としっかり関係があるということがわかるんで、初めからそういうふうに議論を制約しないようにしていただきたいと思いますが、議長からのお話でありますから、もう少しお話を続けたいと思います。

合併は都市の性格を変えたというふうに私は言いましたが、これまでの都市の性格と、それから第1次産業なり漁村の性格を合わせ持つようになったと思います。それだけに、議会や議員は、より多様な市民の声に寄り添うことが必要になったというふうに私は思いますけれども、いかがですか。

佐古一夫議員
議員数が30人になりましても、市民の方に感じていただく感覚というのは、まさに高橋議員がおっしゃるような感触を持っていただかなければならないし、30名の議員は死に物狂いでそこに向かっていかなきゃならないと思います。

高橋佳大議員
議員定数が「34」であれ「30」であれ、合併によって都市の性格も非常に複雑になってきているということもあって、さまざまな市民の構成が多様になっているという中で、そういう声に寄り添わなきゃならないと。それが議会や議員の役割ですよねと。これは共有できるもんだと思うんですね。

それで、市民の暮らしが大変になっているということがありました。これも、議員定数が「34」か「30」ということではなくて、そうなってくればそうなってきただけ、議会や議員は活動上、いろんな頑張りが必要になってきます。その頑張りとはどういうものなのか、お考えをお聞かせください。

佐古一夫議員
議員の頑張りというのは、これはすべて市民の評価でないでしょうか。そういうふうに思います。

高橋佳大議員
議員がどう評価されるかというか、心構えとして、市民の暮らしがすごく大変になってきているわけですよね。もう歩けば悲鳴のようなのがたくさん寄せられますよね。それだけに、一人一人の声を聞くという仕事はすごく私たちにとって、議員にとって重い仕事になっていると。

例えばみんな大変なもんだから、私たちも、ホームレスの方がどのぐらいいるのか、夜中に駅に行って相談会をやって声を聞いて、そして応急生活資金の制度を変えなきゃならない、そういう提案や声をいっぱい聞いて、いっぱい返していかなきゃならない。そういう意味で、本当に頑張んなきゃなりませんよね、ですよね。

佐古一夫議員
いや、まさに高橋議員おっしゃるように、本当に頑張らなきゃならないと思います。はい、そのとおりだと思います。

高橋佳大議員
さて、まとめの質問になってまいりますけれども、今お話を伺って、議員はこれからたくさんの役割を果たさなきゃならないと。しかし、30人に減らせば、私が申し上げましたように、議員定数が20万人から30万人の人口の都市の中で、議員定数全国最低のまち、議会費全国最低のまちになります。面積は3番目です。

今、よく地方自治は二元代表制というふうに言われますが、ここまで議会を、気持ちはともかくとして、30人でみんなで頑張るという気持ちはともかくとして、私は弱めることになると思います。今までも、紺谷議員に対して答弁もありましたが、改めて、最後の質問ですのでお答えください。

佐古一夫議員
私ども、今回30名の議員が議員削減を提案いたしました。そこには、やはり例えば上限の議員数が幾つだというのは、これは上限でございますから、逆にそれ以上の議員がいるときっと無駄が多いというふうに国もお考えになってるかもしれませんけども、そういうことも踏まえて、私ども「30」としたと。

それで、今回提案をした30名の議員の全部の思いは、私が代弁するのは大変僣越なんですけども、市民の方を信頼してると思うんですよ。ですから、今後、選ばれる30名の議員は、まさに市民の負託にこたえて、その厳しい状況の中で、今まで以上にいい議会といいますか、議員活動をしていく方が選ばれるんであろうと。それを市民に託したいというのが「30」、議員の数は「30」がいいのか「31」がいいのか、「29」がいいのかというのは、これは本当に議論の尽きないところなんですね。

しかしながら、一般的に市民の方の感覚としては、その近いところにあるのかなということで、そういう数を私どもが提案させていただいたということでありまして、30名になって物理的や理論的には心配があるかもしれませんけど、それで今まで以上に認められるような議会活動を全員がやっていくという決意で、上程したということであろうと思います。私はそういうつもりで上程しました。

高橋佳大議員

市民の負託にこたえる議会の活動、議会の質、これは議員一人一人の質によって担保されるとともに、その人数によっても担保されるんだということを申し上げまして、質疑を終わります。

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